2026年に新しい基準のB.リーグが開催されます。2026年なんてずいぶん先の話という気もしますが、3年なんてあっという間です。
話題にはなっているけど、具体的にはどんな内容なのでしょうか?
7月27日に将来構想に関する発表会見が行われました。リーグ自体がかなり変わってしまうようで、SNS上でさまざまな議論が行われています。どんな内容なのか、まとめてみました。
また、2024年2月28日にB革新の制度概要が決まりましたので、そちらも併せてご紹介します。
新B.リーグって何?
Bリーグの将来構想は、B革新という名前がつけられ、2026−2027シーズンからかなり大きく変わっていくようです。
- リーグ名称変更
- ドラフト制度
- サラリーキャップ
- 登録・ロスター・オンザコートの改変
- 選手流動性
- カーディング
- ポストシースン
リーグ名称が変更
今まで、B1、B2、B3リーグという名称でしたが、2026−2027シーズンから名称自体が変わります。
- B1リーグ→B.LEAGUE PREMIER
- B2リーグ→B.LEAGUE ONE
- B3リーグ→B.LEAGUE NEXT
今までのB.リーグは、成績による昇格と降格がありましたが、2026−2027シーズンから競技成績による昇格と降格を廃止し、入場者数や売上高など経営力が参戦の審査基準となる予定です。
その内容は、B.LEAGUE PREMIER(B1リーグ)だけではなく、B.LEAGUE ONE(B2,)B.LEAGUE NEXT(B3リーグ)もそれぞれ新基準が適用される予定です。各チーム新Bリーグに向けて準備を進めています。
昇格降格がないのは面白くないのでは?と思いつつ、野球は毎年盛り上がっていますし、リーグが下がることで資金力の低下やスポンサー減少などのリスクが減ると思うと、チームとしては有り難いのかもしれません。
B.LEAGUE PREMIER(新B1リーグ)の基準は?
B.LEAGUE PREMIERに参入するためには、この条件を満たす必要があります。
- 平均入場者数が4,000名以上
- 新基準アリーナ(収容5,000席以上など)の年間109日確保
(2026年に間に合わせるには、28年秋までに完成していることが条件) - 売上高12億円以上
また、アリーナに関しては、コンコースの広さ、スイートルーム・ラウンジがあること・車椅子席の設置などなど、細かい基準が設けられています。
そんなわけで、あちこちで新B1基準の新スタジアムのオープンや建設計画が持ち上がっているのですね。。VIPを呼べない、様々な人に対応できない会場は、競技としては厳しいですよね。
新B1リーグのアリーナ建設状況についてですが、新B1基準のアリーナ整備は、多くが新設で進められているそうです。現状、改修で満たす動きが具体的に進んでいるのは、福島ファイヤーボンズ(B2)の本拠地・宝来屋郡山総合体育館などに限られるようです。
また、他のチームでの新アリーナ構想はこんな感じになっています。
- 川崎ブレイブサンダース:京急川崎駅隣接地に、10,000人収容のアリーナを含む複合エンターテインメント施設(2028年10月開業を目指す)
- 千葉ジェッツふなばし:JR南船橋駅から徒歩約6分にららアリーナ東京ベイ(仮称)2024年春に開業予定。収容人数は1万人。
- アルバルク東京:ゆりかもめ線青海駅(メガウェブ跡地) TOKYO A-ARENA(仮称)。2025年秋に開業予定収容規模は1万人。
首都圏のアリーナは、ショッピングモールなどとの複合施設の予定が多いようです。「観戦ついでにお買い物」「お買い物に行ったらすぐそばにアリーナがあるので興味を持った」と言った感じで相乗効果を期待しての設置かなと思います。
また、すでに新アリーナが完成したチームもあります。
- 佐賀バルーナーズ:SAGAアリーナ、収容人数約5,000人
- 琉球ゴールデンキングス:沖縄アリーナ、収容人数約10,000人
- 群馬クレインサンダーズ:OPEN HOUSE ARENA OTA、収容規模約5,000人
沖縄のアリーナは2021年に設立されたそうですが、とても観やすいそうですね。
ワールドカップも沖縄アリーナで開催ですし、いつか行ってみたいですね。
B.LEAGUE ONE(新B2リーグ)の基準は?
B.LEAGUE ONEに参入するためには、この条件を満たす必要があります。
- 平均入場者数が2,400名以上
- アリーナ(現B1基準充足)収容3,000席以上の年間109日確保
- 売上高4億円以上
- 【仮ライセンス条件】入場者数:1,500名
- 【仮ライセンス数】B.LEAGUE ONE全体で「28~30」までが上限
B.LEAGUE NEXT(新B3リーグ)の基準は?
B.LEAGUE NEXTに参入するためには、この条件を満たす必要があります。
- アリーナ(現B2基準充足)収容3,000席以上
- 売上高2億円以上
B.LEAGUE NEXTに関しては、平均入場者数は求められていないものの、売上金2億円以上という条件があることもあり、それを満たすためにはそれなりに入場者必要ですよね?といったところでしょうか。
現状B3リーグに所属しているチームは、平均入場者数が1,000人以下のチームが多いため、売り上げを上げるためにも入場者数の増加やチーム力の強化が望まれます。
ドラフト制度の導入
「ドラフト制度」についてはB.LEAGUE PREMIERで2026年から導入する方向で検討しているそうです。
基本的にドラフト制度の対象は学生。
ただ、現状の特別指定選手制度やユース育成枠と相反する点があるため、今後、順次解決していくとのことです。
項目 | 詳細 | |
---|---|---|
対象 | 日本高校卒/海外高校卒/日本大学在学中/海外大学在学中/日本大学卒/海外大学卒 | |
方式 | ウェバー(指名)方式 | ドラフト指名順位はシーズン順位の下位からの指名になるため、順位=指名順にならない仕組みとして指名順抽選を実施する。 |
申請期間・リスト公示 | 毎年9月1日~12月上旬 | |
開催時期 | 毎年1月 例:2026-27シーズンは2026年1月 | 高校・大学ともに集大成の大会の結果を反映しやすい。 ドラフトの注目は高いが、進路決定が遅くなるため、早めの申請期間を設けることで、その期間中に進路の方向性を把握することが可能。 |
契約期間 | 3年保証 2年+PO(プレイヤーオプション) | 2年のシーズン終了時にプレイヤーオプションも行使できる。選手が希望すれば退団も継続も契約交渉も可能。 |
金額 | 1巡目 日本・海外の高校卒:年俸1400万 (※1 別紙) | |
契約・環境改善 | 選手の権利/練習環境/生活環境で一定の環境を整わないクラブについてはドラフト参加権なしとする。 | |
補足 | ・自クラブのユース選手とドラフト1巡目最高金額を上限に交渉可能。その交渉が決裂したユース選手含めてドラフトを実施する。 ・選手が指名されたクラブとの契約を拒否した場合、そのシーズンはB.LEAGUE PREMIERクラブと契約はできない。 ・B.LEAGUE PREMIERクラブに初めて入団する選手は高校・大学卒業後3年間と大学在学期間中に他連盟登録の選手はドラフト対象とし、B.LEAGUE PREMIER以外のクラブ(海外含む)に入団した選手は、ドラフト対象期間中はB.LEAGUE PREMIERに完全移籍できない。 |
ドラフト制度は、主にプロスポーツリーグなどで選手の入団権を争うシステムです。主にアメリカのプロ野球リーグ(メジャーリーグベースボール)、アメリカンフットボールリーグ(NFL)、バスケットボールリーグ(NBA)などのアメリカのプロスポーツリーグ、日本でやプロ野球で使われています。
ドラフト制度の目的は、新人選手を公平にチームに割り当てることで、リーグ全体の競争力を維持し、チーム間の格差を縮めることにあります。
サラリーキャップ導入
サラリーキャップとは、スポーツ界でよく使用される制度で、日本語で訳すと「給料の上限」という意味です。
スポーツチームはたくさんの選手を雇っていて、それぞれの選手に給料を支払います。しかし、サラリーキャップがある場合、そのチームは決まった上限額以上の合計給料を選手に支払うことができません。
サラリーキャップ制度は、スポーツチームがお金だけで強い選手を集めて圧倒的に強くなることを防ぐためにあります。これにより、各チームが均等に強い選手を持つことができ、試合がより競争力のあるものになるそうです。
ディビジョン | キャップ | フロア | |
---|---|---|---|
B.LEAGUE PREMIER | 8億円 | 5億円 | |
B.LEAGUE ONE | 本ライセンス | 4億円 | 1.5億円 |
仮ライセンス | 4億円 | 1億円 | |
B.LEAGUE NEXT | 設定なし |
登録選手の内1名(日本人・帰化・外国籍問わず)が1.5億円(税込)以上の報酬であったとしても、当該選手は1.5億円(税込)までを計上する。
キャップは最高値、フロアは最低値
各チーム8億までが上限ということです。(は、8億って少なくない?)
登録・ロスター・オンザコートの改変
B.LEAGUE PREMIERでは、外国籍登録/エントリー最大4 及び オンザコートフリー(26年〜or28年〜)を検討しているそうです。
「オンザコート」は英語で「On the court」のことで、スポーツの文脈では「コート上で」や「プレイ中に」などという意味になります。
また、B.LEAGUE ONEに関しては、・エントリー 外国籍登録3 帰化/アジア枠1で、オンザコート2-1-1-2と外国人・帰化・アジア枠は制限をする模様で(各クォーターごとに2人・1人・1人・2人と人数制限をかける)、日本人選手の出場機会を増やします。
分類 | 上限 | |
---|---|---|
登録 | 登録可能数 | 14名 |
外国籍 | 3名 | |
帰化/アジア特別 | 1名 | |
エントリー | 可能数 | 12名 |
外国籍 | 3名 | |
帰化/アジア特別 | 1名 | |
出場 | 外国籍 | 制限なし |
帰化/アジア特別 |
<B.LEAGUE ONE/NEXT>
B.革新の競技に関する制度概要が決定 ~サラリーキャップやドラフトの対象・方式等の詳細が決定~
バスケットボールの普及/育成を促進。日本人選手の出場機会の確保。
※B.LEAGUE PREMIERのクラブ数の上限撤廃で2026-27シーズンのクラブ数が未確定。
そのため、B.LEAGUE ONE/NEXTのオンザコートの制度については外国籍選手の枠等を再検討予定。
選手流動性
こちらの制度は、B.LEAGUE PREMIER所属チームの選手が、B.LEAGUE ONE,NEXTの下位カテゴリーでプレーする機会を得るものです。(報酬については所属元クラブが全額負担をする模様)
下位リーグのチームとしては、プレミア所属の選手を無償でレンタルできるというメリットがありますし、選手にとってはプレー機会を得られるきっかけになります。
ただし、所属先チームが望むタイミングで選手を呼び戻すこともできます。
①短期契約の導入 ※B.LEAGUE PREMIERのみ
・最低2週間の契約を可能とする(日本人・帰化/アジア特別枠・外国籍選手に限らず)。
・1クラブの内10名をシーズン契約とし、短期契約は10名を除いた選手のみ可能。
②育成契約制度(仮称)
・登録数14名のうち、2名を上限に移籍についてクラブが自由に決定することができる育成契約を可能とする。
・現契約を維持したまま当該選手を期限付き移籍することが可能とする。
③再登録制度の撤廃
・同シーズン中であっても同一クラブの再登録を可能とする。
選手が怪我をした時に便利なんですかねぇ・・・これ
育成補償金
育成補償金とは、選手移籍の際に育成元クラブにお金が支払われる制度です。
これはB.LEAGUE PREMIER以外のクラブに所属する選手がB.LEAGUE PREMIERに移籍する場合のみ発生するものです。なお、B.LEAGUE PREMIERに至るまでに複数クラブの所属していた場合、その全クラブに育成補償金を支払われます。
カーディング
週末試合と平日試合をバランスよく開催するそうです。
- B.LEAGUE PREMIER:現行(土日連戦)と平日開催を増加
リーグ戦:60試合
週末同一開催(金土日):28試合
週分散単一開催(日~土):32試合 - B.LEAGUE ONE・B.LEAGUE NEXT:再検討
また、FIBAの前には直前強化合宿等の日本代表活動を優先しつつ、リーグ戦を同時開催する模様。代表招集選手については代表活動が優先で、原則としてリーグ戦出場を認めない方針とのこと。
ポストシーズン
主にファイナルやプレーオフに関しての内容になります。
- B.LEAGUE PREMIER:FINAL戦3戦先勝方式・HOME/AWAY方式の導入を検討
- B.LEAGUE ONE:プレーオフ16クラブ参加
- B.LEAGUE NEXT:現行のB3通り
B.LEAGUE PREMIER | B.LEAGUE ONE | ||
---|---|---|---|
QUARTERFINALS/SEMIFINALS | FINALS | ||
出場クラブ数 | 8クラブ | – | 16クラブ |
方式 | 2戦先勝 | 3戦先勝 | 2戦先勝 |
開催場所 | PS進出上位クラブのホーム開催 | HOME/ AWAY方式 | PS進出上位クラブのホーム開催 |
開催間隔 | 1日おきに3試合想定(金日火等) | – | 今後決定 |
新Bリーグの審査はいつから?
新Bリーグの審査ですが、B.LEAGUE PREMIER,B.LEAGUE ONE,B.LEAGUE NEXTで時期がずれています。
参戦は審査基準を満たしてから2年後
- 初回審査2024年10月→2026年10月
- 2025年7月審査→2027年10月
- 2026年7月審査→2028年10月
参戦は審査基準を満たしてから1年後
- 初回審査2025年4月→2026年未定
- 2026年10月審査→2027年未定
- 2027年10月審査→2028年未定
入会後の審査もあるよ!
新基準への入会後も、毎年入会時同様の基準に沿った審査を実施するとのことです。
複数年の基準未達があった場合には下位リーグへの降格となります。
・B.LEAGUE PREMIERは3期連続で基準が達成できなかった場合
・B.LEAGUE ONEは2期連続の基準が達成できなかった場合
資金繰り等に重大な問題がある場合には、3期または2期未達でなくても降格する場合があります
Jリーグもそうですが、債務超過はやっぱりスポーツビジネスとしては大きな問題で、数年続くと降格対象になるのですね。
改革内容を見た感想
サラリーキャップと登録・ロスター・オンザコートの改変は、根底を揺るがすものではないかと思いました。
サラリーキャップの上限が8億というのは結構びっくりしました。Bリーグ選手の年俸がどのくらいかはわからないのですが、
むしろ8億って少なくないですかね?これは選手のみ?スタッフも含めての数字?選手のみだよね、さすがに。
金満チームがいるということは、それはそれで面白いと思うのですが、(必ずしもお金がある=良いチームが作れる=優勝できるとは限らないので)上限を設けてしまうことで画一化されてしまうようであれば面白さがなくなってしまうなと感じます。
サラリーキャップが導入されることで、チームにいるあの選手が上限超えちゃって移籍ってパターンが一番寂しいので、もうちょい上げても良いのでは?
登録・ロスター・オンザコートの改変で直接影響を受けるのは、B.LEAGUE PREMIERになるかと思います。
国籍関係なく実力のある選手が試合に出れるというのは、試合のクオリティが上がって面白くなると思う反面、日本のリーグなのに日本人が全然出てこなかったら違和感だなと思ってしまう気持ちもあります。(そういう場合は、B.LEAGUE ONEやNEXTを観ろって話なのだと思いますが)
とはいえ、W杯を見てしまうと、外国籍選手の中で日本人も揉まれていかないとリーグの実力アップにつながらないのかもなと思います。
慣れてしまえばこういうものだと思うのでしょうけれども、これから始まるということを考えると問題点を回避しながらどう着地させるかが気になるところです。
B.LEAGUE PREMIERに関しては、間違いなくお値段もプレミアムというかチケット代金が値上がりすると思いますので、よく観に行っていたチームを今後も観に行けるのか(アルバルク東京に関してはアリーナの場所も移転しますし)どうかというのは気になるところだなと思いました。
新リーグ開催まで、これらの内容がどう変化していくか気になるところ
新Bリーグに話が出た時はこんなに具体的な話ではなかったので、シンプルに大きなアリーナで試合が見れるんだなという程度の認識でしたが、根底から変える内容だとどうなるのかドキドキしてしまいますね。
また、チームによってB.LEAGUE PREMIERを目指すのか、B.LEAGUE ONEを目指すかでかなり経営体力が異なってきますので、推しのチームはどこを目指すのかということも今後の注目ポイントかなと思います。
吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、話題性は抜群。2026-2027シーズンまで各チームやBリーグがどのように変化していくか見守っていきたいと思います。